飼い主さんに知ってほしいこと

ペットの安楽死、最高の選択肢にする為に考える2つのポイントは?

この記事は…

ペットの安楽死において、どういう時にそれを選べばペットにも飼い主さんにも最高の選択肢になり得るのか、という事について書かれています。

少し前になりますが、動物病院で、犬と猫の2頭に対し同じ日に安楽死を依頼されました。

飼い主さん達と面談をして…結局2頭とも安楽死になりました。

同じ日に同じ方法で命を絶たれ、涙する飼い主さんに抱かれながら2頭は帰って行きました。

でも私はこの2頭に対する安楽死という行為は、「全く別物だ」と思ったのです。

BAMBI
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・一頭は安楽死するのをもう少し待って欲しかった。
・もう一頭は前向きな気持ちで安楽死をさせてやることができた。

2頭の安楽死、一体何が違うのか。どちらにどう違和感を感じるのか考えてみました。

2頭の安楽死を比較してみた

安楽死にいたるまでの経過と環境

①老齢のオスの大型犬 ②老齢のオスの猫
安楽死までの経過 もともと生まれつき股関節が悪く、脚をかばって歩いているうちに、膝の靭帯を切った。金銭的な問題から手術ができなかった。全く後ろ足が踏ん張れなくなり、寝たきりになった。その後床ずれ尿やけ、便やけがひどくなり、全体的に皮膚炎と悪臭がするようになった。食餌は普通にできる。 尿石症で尿閉(おしっこが膀胱にできた石でつまり、出てこなくなる)を繰り返し、ひどい腎不全になった。それが原因で毎日ケイレンを起こしていた。食餌も全く取れず、水も飲めないので毎日点滴に通っていた。もともと猫エイズにもかかっていたため、口内炎鼻水、肺炎も起こし、ケイレンしていない時もずっと呼吸困難の状態だった。
家族 子供のいる家庭 一人暮らしの女性
同居ペット 同居犬数頭 同居猫1頭
愛情 溺愛していた 溺愛していた
安楽死に対して 家族で意見が割れていた 決められないで悩んでいた

 

飼い主さんが安楽死を選択した理由

※このサイトは匿名で運営しており、十分プライバシーには配慮できているとは思いますが、さらに配慮を重ねるために、犬猫の年齢など、詳しいデータは割愛します。

①老齢のオスの大型犬 ②老齢のオスの猫
・可哀想で、これ以上近くで見ていられない。ノイローゼになりそう。
・家族で意見が割れており、夫に金銭的に満足な治療ができないのだから、これ以上生かしておくのは可哀想と言われた。
保健所に連れて行くのはあまりにも可哀想なので、動物病院で安楽死させたい。
治る見込みがないのに、この子だけにお金をかけると、他の同居犬が可哀想。
こんな事なら多頭飼いするんじゃなかった。こんなはずじゃなかった。本当に犬達に申し訳ない。
毎日ケイレンを起こし、その度にこのまま死んでしまうんじゃないかと思い落ち込む。
毎日ずっと苦しんでいるし、先生からみてもう治る見込みが無いのなら、安楽死を選択したい。
・もし安楽死をするとすれば、いつ行えばいいのか一緒に考えて欲しい
自分が介護出来ることがあるなら精一杯やってあげたいけど、そうする事でこの子が苦しむなら寂しくても今すぐ安楽死を選ぼうと思う。
・安楽死はお金がかかってもいいので、この子が一番苦しまない方法でお願いしたい。

飼い主さんと実際に面談でお話した内容です。

安楽死は、ペットを苦しみから救うためだけに行うべき!

誰が辛いから安楽死するのか?

比較すると、安楽死を選択した理由が全く違います。
場合は飼い主さんが辛いため。
②の場合はペット自身が辛いため。
に安楽死を決めているように思います。

どの部分についてそう感じたのか、考えてみます。

①老齢の大型犬の場合

BAMBI
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安楽死を選んだ理由がペットのためではなく飼い主さんのため

可哀想で、これ以上近くで見ていられない。→一番辛いのは犬です。

金銭的に満足な治療ができないのだから、これ以上生かしておくのは可哀想→犬は死にたいと思うことができません。これ以上生かしておくのは可哀想、というのは、飼い主さんが見ているのが辛い、見たくない、という事。犬からしてみたらこれ以上まだまだ生きたいと思っています。

保健所に連れて行くのはあまりにも可哀想なので、動物病院で安楽死させたい。→確かに保健所で毒ガスで殺すのは相当可哀想です。動物病院では注射薬ですぅっと安楽死させるので苦しみません。しかし安楽死を選択している事には変わりません。飼い主さん自身がこれ以上ひどい飼い主でいたくないと思うので、このような発言になるのだと思います。

治る見込みがない飼い主さん自身が勝手に治らない病気、と決めつけています。その病気がどういう結末を迎えるものなのか、治らないにしてもうまく生活していくすべはないのか、など専門家である獣医に相談をしていません。※実際この子は一般状態が悪いわけではないので、介護をすれば十分生きられるのです。

こんな事なら多頭飼いするんじゃなかった。こんなはずじゃなかった。本当に犬達に申し訳ない。そう思うなら最期まで面倒を見るべきではないでしょうか。多頭飼いをしたのは自分の責任です。今、本当に金銭的にも人手不足という点でも多頭飼いが無理であれば、元気な子を里親に出し、病気の子の面倒をみる、という選択肢だってあります。(病気の子は貰い手がほとんどつきません。そのため、もらってくれそうな子を里親に出すという事です。)素晴らしい里親さんを探すのです。ペットに愛があるなら、必死に可愛がってくれる里親を探してください。

②老齢の猫の場合

BAMBI
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安楽死を選んだ理由が飼い主さんのためではなくペットのため

・毎日ケイレンを起こす、毎日ずっと苦しんでいるペットが継続的に苦しんでいて辛そう

・先生からみてもう治る見込みが無いのなら、安楽死を選択したい。→治る見込みがないかどうか自分で決めつけず正しい知識を得ようとしています。

・もし安楽死をするとすれば、いつ行えばいいのか一緒に考えて欲しい。→専門家に相談してどういう経過を辿る病気なのか理解しようとしています。

自分が介護出来ることがあるなら精一杯やってあげたいけど、そうする事でこの子が苦しむなら寂しくても今すぐ安楽死を選ぼうと思う。辛い介護から逃げようとしていない。また介護することで寿命が延びて、苦しみが伸びるなら安楽死を選ぼうとしている。

・安楽死はお金がかかってもいいので、この子が一番苦しまない方法でやりたい→ペットの苦しみを取り除くために安楽死をしようとしている

安楽死はペットのためにしてほしい

飼い主さんは必死で気づかないかもしれませんが、結局はこういう基準で安楽死を選択してしまっています。

①の場合、病気の大型犬を介護していく自分が辛いので安楽死を選んだ。
②の場合、命が尽きるまでずっと苦痛を伴っている猫が辛いので、安楽死を選んだ。

安楽死がペットにも飼い主さんにも最高の選択肢になり得るのは②です!
①は後々悔いが残ると思います。

まとめ:絶対に悔いを残さないペットの安楽死とは?

BAMBI
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飼い主さんではなく、ペットが辛いかどうかで決めよう

大切に飼ってきたペットに対し安楽死を決断する時、飼い主であればどんな人でも辛くないはずはありません。今まで可愛がってきた事も事実ですし、今大変な状況に陥っていることもわかります。
ただ、ペットにしてみれば、安楽死をされればもう2度とこの世で暮らすことはできないのです。飼い主さん側の余裕のない気持ちから生まれた思い込みで、まだ生きられる、生きたいと思っている命を経つのは悲しいことです。

安楽死をしなければいけない獣医も同じようにすごく辛いです。

もし大切なペットが安楽死を検討しなければならない状況に陥ったら…。
是非次の2つのポイントを思い出してください。
その上でもやはり安楽死を選択するのであれば、それはきっとペットにも飼い主にも最高の選択肢なのだと思います。

Point.1 安楽死をしようと思う理由が、本当にペットのためだけなのか考える!!

金銭的に辛いから、介護にたえられないから、という理由を可哀想だからという一言に置き換えて安楽死を選択しないでください。

 

Point.2 どうせ治らない病気だから、あまり苦しんでいない今のうちに安楽死する、というのは間違い!

治らない病気であっても、生きる権利はあります。徐々に悪くなるのを見るのが辛いから、といって安楽死をしてはいけません。これも、苦しむ姿をみたくない、という飼い主さんのための安楽死になります。人と違い、ペットは予後が悪いことで自暴自棄になることはありません。だから最期まで何もないかのようにペットに接してあげてください。勝手に最期を短くしないでください。